台風で倒れた農研2号という深谷ねぎ

実行委員長のボス・パンチャです。

前回のブログは読んでいただけましたか?

 

前回ご報告させていただいた深谷ねぎの現状。あらかた台風の被害を免れたのは<土寄せ>と呼ばれる根深葱独特の育成法のお陰と言っても良いと思います。土寄せとは、簡単に説明すると葱の白い部分を長くするために育成に合わせて土を寄せて盛り上げること。砂場遊びの棒倒しを逆再生して見る感じです。

イメージ出来ますか?(笑)

寄せられた土に固められ支えられ葱も倒れづらくなります。

その土寄せをしていたにも関わらず8割方の葱が倒れてしまった実行委員の農家さんがおります。正確に言うと、その農家さんが作っている深谷ねぎ、「ホワイトスター」や「夏扇」は他の農家さんと同様にあらかた被害なし。『農研2号』だけが8割方倒れてしまったそうです。

ホワイトスター?夏扇??…深谷ねぎじゃないの???

「深谷ねぎ」というのは深谷近辺で収穫される根深葱の総称であり品種名では無いのです。ホワイトスター、夏扇、農研2号というのが品種名。

 

さて、なぜ農研2号だけが倒れてしまったのか?

料理人である僕はその理由を身をもって感じております。農研2号は<他の葱に比べて断然柔らかい>のです!

 

深谷ねぎの原種に近いとされる農研2号が世に出回ったのは1958年(昭和33)だそうです。(小林 真:著『「深谷ねぎ」の現象学』参照)

中が分けつし傷つきやすく見た目はヘニョヘニョ。その分柔らかく味わいも深い。その柔らかさ故、倒れやすく病気にも弱い品種なんです。


みなさん、スーパー等で葱を選ぶ時は何を基準に選びますか?

おそらく“見た目”じゃないでしょうか?

真っ直ぐ、真っ白、しっかりと身の張った葱を選ぶと思います。農研2号は真逆と言ってしまえるほどのルックス。。。

病気に弱く、風雨で倒れ、収量も少なく、頑張って作って出荷しても葱売り場に他の葱と並べられ見た目もいまいちで売れず…それでは作る農家さんも減りますよね。。。

そんなこんなで農研2号は<幻の深谷ねぎ>だなんて呼ばれたりしてます。

でもね、僕はその葱が一番好きです。農研2号が大好きです。

 

あ、でも柔らかいから良いとか、硬いから駄目とかじゃ無いんですよ。

深谷ねぎの品種ごとに特性を活かした調理法があります。

深谷ねぎは全部うめーーー!!!

そんな「深谷ねぎ料理本」を作るのが僕の夢。いつか発表したいですね。

 

誰か出資してくれないかなぁ。。。(笑)